【ブルーバックスを読もう #1】分かりやすい説明をするということ

ブルーバックスを読もう

【ブルーバックスを読もう】は毎週1冊,講談社ブルーバックスの本を紹介する企画です.
ブルーバックスとは,「科学をあなたのポケットに」をキャッチコピーとする新書シリーズです.
今日から,毎週火曜日にブルーバックスの本を紹介していこうと思います.

初回に紹介するのはこの本です.

この本はタイトルの通り,「分かりやすい説明」のための15のルールを紹介・説明するものです.

「説明の技術」を説明できる著者の自信が羨ましい.僕は基本的に自己評価が低いので,「お前の説明分かりづれぇよ!」と突っ込まれるのが嫌でこんな文章書けないですね.
今回は他人の技術なので”他信”を持って紹介することができます!

それでは,本の内容に入りましょう.

まず,「説明する」とは何でしょうか?
「何かを相手に伝えること」
これでは「知らせて」いるだけで不十分です.
「何かを相手に分かってもらうこと」
つまり,「理解させること」が「説明すること」です.

従って,事実を羅列するだけでは,「説明した」ことにはなりません.
相手に理解してもらえるように,表現や構造を工夫する必要があります.
情報を聞き手が理解しやすい構造で伝えること
これが「説明する」ということなのです.

それでは次に,理解しやすい構造とは何でしょうか?
端的に言えば,「脳内の処理を助ける」ような構造です.

人間が物事を理解するとき,情報はその内容が精査され,内容ごとに整理されて「記憶」されます.
情報の精査・整理が上手くいかないと,記憶することができません.これが,「分からない」・「腑に落ちない」状態です.

この情報の精査・整理には一定程度の時間が必要で,この処理の前に次の情報が来てしまうと,仮に説明の内容が論理的であっても理解してもらうことができません.
これが15のルールの本質です.
分かりやすい説明に必要なのは,「脳内の処理を代行する」・「脳内の処理時間を確保する」の2点です.15のルールはこの2つに分類することができます.

脳内の処理を代行する」とは,説明の際に情報をどこに記憶すればよいかを指定してあげることです.
例えば,重要なポイントを明示したり,比喩によって本質を捉えやすくしたりすることによって,本来聞き手が行う情報処理を説明が代行することができます.
料理に例えれば,食材を渡して自分で調理して食べてもらうのではなく,こちらで調理を行ってすぐ食べられる状態で提供するということです.

脳内の処理時間を確保する」とは,説明の中に適切な間を取り,聞き手が理解するのに必要な時間を確保することです.
特に,聞き手は初めて聞く内容であるということを意識する必要があります.そのために,自分が理解できる速度よりもゆっくり,重要な部分は特に間を取って説明する必要があります.
通学・通勤区間内の乗り換えは当然慣れたもので,何なら電車の発車時間まで把握しているまでありますが,初めて行く駅での乗り換えは不安ですよね?自分にとってはいつもの乗り換えでも,聞き手にとっては初めての乗り換えです.30秒で乗り換えさせるのではなく,1本後の電車に乗せてあげるようにしましょう.

さて,この本では15のルールを紹介していますが,それをここで羅列しても「説明」にはなりません.それは情報をただ羅列しているだけだからです.
そこで,特に大事なルールを3つ紹介します.
この3つのルールは著者が100点満点中15点か20点のプレゼンをしてしまった部下に対して,まず最初に送ったアドバイスです.
たった3つのルールを意識するだけでプレゼンの点数は60点に跳ね上がったそうです.すなわち,「説明の技術」の4割は次の3つのルールに詰まっているといっても過言ではありません.
その3つとは……

  • 各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.
  • ゆっくりしみ入るように話せ.
  • ポイントを話した直後は「間」を置け.

1つ目のアドバイスは「脳内処理の代行」.他の2つのアドバイスは「処理時間の確保」に当たります.
もし,あなたが20点のプレゼンをしているとしたら,この3つを意識するだけでプレゼンの点数を及第点まで跳ね上げることができます.僕も,研究発表などの機会でこれらを意識して,分かりやすい説明ができるようにしたいです.

最後に,著者は15のルールを身にしみこませるために,毎日ルールを音読することを推奨しています.10回繰り返すことで,ルールを記憶に定着させることが目的です.
ですから,この記事を読んだあなたは特に大事な3つのアドバイスを音読しましょう.

「各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.ゆっくりしみ入るように話せ.ポイントを話した直後は「間」を置け.
各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.ゆっくりしみ入るように話せ.ポイントを話した直後は「間」を置け.
各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.ゆっくりしみ入るように話せ.ポイントを話した直後は「間」を置け.
……
……」

何も面倒くさがることはありません.この本を読んだ人がやる日課の5分の1しかないのですから.
さあ,あなたも一緒に

「各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.ゆっくりしみ入るように話せ.ポイントを話した直後は「間」を置け.
各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.ゆっくりしみ入るように話せ.ポイントを話した直後は「間」を置け.
各ポイントの冒頭で,その骨子を短く話せ.ゆっくりしみ入るように話せ.ポイントを話した直後は「間」を置け.
……
……」

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